結論として、面接で評価されるのは経験年数ではなく、課題に対してどのように考え行動したかを説明できるエンジニアです。本記事では、評価されなかった説明と改善例を紹介します。
本記事で分かること
- 面接で評価されるエンジニアの説明の違い
- 実務経験があっても落ちる理由
- 面接で評価を下げない伝え方
目次
なぜ実務経験10年でも面接で落ちるのか
企業が面接で確認しているのは、「この人は、うちの現場でも同じように成果を出せるか?」という一点です。
「過去に何をやったか」「どんな製品を担当したか」よりも「なぜその判断をしたのか」「別の状況でも同じ考え方ができるか」という 再現性 が見られています。筆者はこの視点を、ほとんど意識できていませんでした。
面接で評価される「技術力」には3つのレイヤーがある
組み込みソフトウェアエンジニアの面接における技術力は、次の3つのレイヤーに分かれています。
1.知識レイヤー:知っているかどうか
ここは スタートライン です。
- マイコンやRTOSの基礎知識
- 割り込み、タスク、メモリの考え方
- 仕様書やデータシートを読めるか
正直、このレイヤーだけで評価が決まることはほとんどありません。
2.思考レイヤー:どう考えているか
ここからが、合否を分け始めるポイントです。不具合対応の説明の差から評価の違いを述べます。
- 評価されなかった説明(当時の自分)
通信が不安定になることがあったので、ログを確認して修正しました。修正後は問題なく動作しています。技術的にも間違っていません。
しかし、この説明では次が伝わりません。「何を疑ったのか」「どこから切り分けたのか」「なぜその修正に至ったのか」がわからず、結果として「たまたま直せた人」 に見えてしまいます。
- 評価される説明(同じ経験を構造化)
通信エラーが断続的に発生していたため、まず再現条件を整理し、「通信データ量」「割り込み周期」「他タスクの負荷」の3点で切り分けを行いました。その結果、特定条件下で割り込み処理が競合していることが分かり、優先度設計と排他制御を見直しました。
結果は同じでも、「考えて直した人」 として評価されます。
3.再現レイヤー:他社でも通用するか
面接官が最も慎重に見ているのが、このレイヤーです。設計判断の説明の差から評価の違いを述べます。
- 評価されなかった説明(当時の自分)
処理が重かったので、処理を分割して対応しました。
これも正しい対応ですが、判断の根拠が見えません。
- 評価される説明(同じ経験を構造化)
処理負荷が周期に影響する可能性があったため、「処理時間のばらつき
」「リアルタイム性への影響」を確認しました。単純な高速化ではリスクが残ると判断し、処理を周期外に分割する設計に変更しました。
この説明ができると、「別の現場でも同じ判断ができる人」と評価されます。
面接で評価を下げてしまう「もったいない話し方」
筆者がやってしまっていた、評価を落とす話し方があります。
「何をやったか」しか話していない
「実装しました」「対応しました」では、評価されません。面接官が知りたいのは 判断の理由 です。
結果だけを話してしまう
問題→対応→結果の「結果」だけを話すと、思考が伝わりません。
チーム開発の話が自分事になっていない
「チームでやりました」で終わる説明は、自分の役割や判断が見えなくなります。
面接官が見ている「リスク評価」の視点
組み込みソフトウェアは、不具合が事故や損失につながる世界です。面官は常に、「この人はリスクにならないか」 を見ています。
設計を破綻させないか
「現場制約を理解しているか」「理想論だけで話していないか」という事故を起こさないかを見ています。安全意識の説明の差から評価の違いを述べます。
- 評価されなかった説明(当時の自分)
仕様通りに実装し、テストでも問題ありませんでした。
一見問題なさそうですが、面接官は不安を感じます。
- 評価される説明(同じ経験を構造化)
仕様通りに実装しましたが、実機環境では入力条件が揺らぐ可能性があるため、異常値が入った場合の挙動も確認しました。致命的な動作にならないことを確認し、安全側に倒れる処理を追加しました。
この説明ができると、「事故を起こさない人」と評価されます。
現場で浮かないか
「説明が独りよがりでないか」「機械・電気と会話が成立しそうか」というコミュニケーション能力を見ています。
面接で不採用だった理由を振り返って分かったこと
筆者が評価されなかった最大の理由は、以下のように経験を構造化できていなかったことでした。
- 経験年数を過信していた
年数は、評価基準ではありません。市場が見ているのは中身です。 - 暗黙知のまま話していた
自分では当たり前の判断でも、言語化しなければ伝わりません。 - 評価される話し方の型を知らなかった
設計→判断→結果この流れで話すだけで、伝わり方は大きく変わります。 - 評価ポイントを意識すると、準備すべきことが変わる
面接対策は、質問への答えを暗記することではありません。
次に、面接での具体的な質問内容を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
また、面接は履歴書や職務経歴書と連動しています。それらの書類が不安であれば以下の記事を参考にしてください。
まとめ|面接は「技術披露の場」ではない
組み込みソフトウェアエンジニアの面接は、信頼できるかどうかを確認する場です。
- 再現性があるか
- リスクを抑えられるか
- 現場で任せられるか
実務経験が長くても、正しく伝えなければ評価されません。逆に言えば、
評価ポイントを理解すれば、経験はきちんと武器になります。
よくある質問
Q1.組み込みエンジニアの面接では技術質問が多いですか?
A1.企業によりますが、技術知識そのものよりも「どう考えて問題を解決したか」を確認する質問が多い印象です。
Q2.面接対策はどこまで準備すべきですか?
A2.質問への回答を暗記するよりも、自分の経験を整理して説明できるようにすることが重要です。