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組み込みエンジニアが転職を決意した理由|迷っていた実体験

結論として、転職を決意した理由は「このまま同じ環境で働き続ける未来が想像できなくなった」ことでした。本記事では、その判断に至るまでの迷いや背景を実体験として整理します。

本記事で分かること


  • 転職を考え始めたきっかけ
  • 転職を迷い続けた理由
  • 転職を決意したタイミング

転職を考え始めたきっかけ|組み込みエンジニアとしての限界を感じた瞬間


業務の属人化が進んだ開発体制

筆者が担当していたのは、自社サーボアンプの組み込みソフトウェア開発です。自社製品の業界シェアは決して高くなく、標準品を大量に売るというより、競合他社が受けないような顧客要望に合わせたカスタマイズ製品で売上を確保するビジネスモデルでした。
加えて、開発体制は、ハードウェア・ソフトウェアエンジニア合わせて十数名程度です。複数のカスタマイズ案件を、ハードウェア・ソフトウェアエンジニア各1名のペアで担当する形です。
カスタマイズ製品であるがゆえに、

  • 仕様は案件ごとに異なる
  • 過去案件の流用が難しい
  • 顧客からの問い合わせも開発担当が直接対応

という状況でした。結果として、「この製品のことは、この人しか分からない」という状態が当たり前になっていきました。
仕様を理解するまでのハードルが高く、簡単に人を入れ替えられませんでした。そのことに、次第に不安を感じるようになりました。

人間関係による不眠症

入社5年目の頃、サーボアンプ開発担当の先輩社員からパワーハラスメントを受けるようになりました。
当時は、指摘なのか叱責なのか分からない言動、常に監視されているような空気が続き、徐々に睡眠が取れなくなっていきました。
最終的に不眠症と診断され、社内の健康管理室と民間の心療内科に通院しながら勤務を続けることになりました。業務が属人化していたため、簡単に休むこともできず、回復までに約3か月かかりました。

それでもすぐに転職しなかった理由|迷い続けた本音


今振り返ると、「なぜこの時点で辞めなかったのか」と思う部分もあります。
それでも当時の筆者は、転職よりも今の職場で経験を積む選択をしました。

周囲のサポートがあった

不眠症を患ったとはいえ、上司や他の先輩社員が、仕事面・プライベート面の両方で支えてくれたことは大きかったです。
「すべてが敵だったわけではない」その感覚が、踏みとどまる理由になりました。

異動という選択肢が頭にあった

上司から正式に異動を提案されたことはありませんでした。
ただ、応援という形で他部署に関わる可能性や環境が変わる余地をどこかで期待していたのも事実です。

設計工程への不安

当時の筆者は、要件定義や詳細設計を一人で完結できる自信がありませんでした。
「転職しても通用しないのではないか」その不安が、転職という選択を遠ざけていました。

転職を決意した瞬間|環境の変化が背中を押した


状況が大きく変わったのは、ある時期からです。

職場環境の急激な変化

ソフトウェアエンジニアの上司1名が早期退職、ソフトウェアエンジニアの後輩2名が転職と異動で現場を離脱し、チームの前提が崩れました。

最大の決定打

さらに、かつてパワーハラスメントをしていた先輩社員が上司になる可能性が現実味を帯びてきました。その瞬間、「この環境で、これ以上自分をすり減らす必要はない」と、はっきり思いました。
ここで初めて、迷いではなく、決意として転職を選びました。実際には「何から始めればいいのか」は全く分かりませんでした。
そこで筆者が最初にやったことについては、以下の記事で詳しくまとめています。

組み込みエンジニアが転職で最初にやったこと|後悔しない始め方

今振り返って思うこと|転職を迷っている組み込みエンジニアへ


転職を考え始めた頃の筆者は、辞めるのは逃げではないか、もっと我慢すべきではないかと自分を責めていました。
しかし今は、環境を変える判断も、エンジニアとしての重要なスキルだと思っています。
もしあなたが、毎日仕事のことを考えて眠れない、このまま続ける未来が想像できないと感じているなら、一度立ち止まって考えても良いと思います。
この体験談が、あなたの判断の材料になれば幸いです。

よくある質問


Q1.組み込みエンジニアが転職を考えるタイミングはいつが多いですか?

A1.実務経験が5年前後を超え、業務内容や年収が大きく変わらなくなったと感じるタイミングで転職を意識する人が多い印象です。また、開発体制の変化や将来のキャリアが見えなくなった時に考え始めるケースもよくあります。

Q2.転職するべきか残るべきかの判断基準はありますか?

A2.一つの目安として、「このまま今の環境で数年後も働き続ける姿を想像できるか」を考えてみてください。もし将来の姿が想像できない、または強い不安を感じる場合は、環境を変えることも選択肢になります。

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